超古本です。 ボロボロですが読めます。 上中下3冊のうちの1冊だと思います。 詳細は分かりませんが明治17年発行されたもののようで、初版かどうかは分かりません。 扶桑園年信こと山崎年信という浮世絵師の挿絵は貴重ではないかと個人的には思います。 ●筑波水滸伝　上 菊亭静（高瀬真卿）（高瀬 羽皐） 口絵・挿絵　扶桑園年信（山崎年信） 今古堂等 明治17（1884）年 ●作品について 幕末の水戸藩士藤田小四郎ら尊皇攘夷派による筑波山での挙兵（筑波山事件、なおこの一連の事件を天狗党の乱と呼ぶ）を中心に記述した軍記物。元治元（1864）年7月の下妻の合戦、および田中源蔵が土浦城を攻めた顛末までが記されている。 ●高瀬真卿について 明治18年（1885）、わが国で2番目の感化院である東京感化院の創設者として感化教育史にその名が刻まれている高瀬真卿（たかせしんけい）は、政治（戯作）小説・史談の作者、新聞記者・新聞社経営者、自由民権運動の演説家として活躍したほか、刀剣鑑定にもかかわり雑誌『刀剣と歴史』を発行するなど、多くの分野に足跡を残しています。 ●扶桑園年信について（山崎年信） 年信は絵師としてはほとんど忘れられた存在であるが、『高知県人名事典』は年信に一項をあて、高知の美術界に与えた影響は大きかったと評価している。活動期間が短く、現存している作品数も多くはない。今日ではほとんど顧みられることのない絵師であるが、現存する錦絵作品にも快作があり、また新聞挿絵の開拓者のひとりとして再評価が待たれる。 月岡芳年の門人。江戸千住で生まれた。姓は山崎、または斎藤、名は徳三郎。仙斎、南斎、呉園、扶桑園、呑海と号した。年信は、稲野年恒、水野年方、右田年英とともに「芳年四天王」の1人に数えられるようになった。芳年門下の鬼才、天才などとも呼ばれ、将来を嘱望された絵師であった。 切れ目なく酔っ払っていたといわれるほどに酒を好んだことや、師芳年との確執もあって、デビューから2、3年間を除けば不遇であった。奇行奇癖の人という評判もある。そのような年信を愛した面々もあり、死後、隅田川堤の白鬚神社境内に記念碑を建てようという動きもあった。芳年もそこに加わっている。この碑は現存しないが、同神社から近い向島百花園にある芳年記念碑には、物故弟子として年信の名が刻まれている。享年29。

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